腋臭、多汗症

腋臭症(ワキガ)について
   汗腺にはエクリン腺アポクリン腺がありエクリン腺は全身にあるもののアポクリン汗腺は脇の下、陰部などの部分にあります。腋臭症とはアポクリン汗腺より出た汗が皮膚の表在菌に分解されて匂う状態で以下の傾向があります。

1. 腋臭の発現時期
女性 :13,14〜18,19才
男性 :14,15〜20,21才
一般に本人及び家族の指摘で気が付くようです。
2. 年齢、性別
思春期から中年まで、性差はありません。思春期の2次成長期にアポクリン汗腺も発達して腋臭がする様に成ります。
また中年以降はだんだんと汗腺が萎縮してくるので腋臭も軽減してきます。
3. 軟耳垢との関係
日本人の8割が乾耳垢で軟耳垢の人は2割であるが欧米人は殆どが軟耳垢です。
腋臭の90%に軟耳垢、軟耳垢の79%に腋臭を合併している。
腋臭の強さは耳垢の柔らかさに比例して強い。
4. 月経と妊娠との関係
女子において腋臭の発現と初経との間に密接な関係があり、腋臭の強さは月経と関係しています。
妊娠中は血中のエストロゲンが増加しアボクリン腺の増殖を抑制するので臭いが軽減します。
5. 腋臭と遺伝
77.6〜80%で家族内出現を認める。
6. 腋臭と腋窩多汗症の合併
73%に腋窩多汗症を合併する。


治療法
保存的治療
  一般的には剃毛(毛をそる)、抗菌剤の内服や外用、抗菌制汗剤(パウダー)、精神安定剤、漢方薬の内服などあります。当医院では外用剤(塩化アルミニウム)と自律神経調整剤や漢方薬の内服で50%の患者は改善します。

ボツリヌス菌毒素の注射
  注射すると半年は持ちますが再度しないといけません。又1回当たり10万位かかります。

レーザー治療(軽症例)
  脱毛レーザーを毎月照射すると5〜6回で、症状の改善が認められます。

外科的治療
  保存的治療、レーザー等の治療で効果の無い人に行います。
 
1. 皮膚と汗腺を一塊にして切除
以前行われていましたが傷跡が醜くノースリーブを着たり出来なくなるので今は殆ど行われていません。
2. 皮下組織の除去
剪除、吸引、超音波、高周波等があります。一般には剪除法(はさみで皮下組織を切リ取る)、吸引法(吸引と言うより削り取る感じの方法)が主である。皮下組織の除去量が多いと再発はないが反面皮膚の壊死という合併症が有るので治療方法の差よりどの程度までするかという点で、治療する医師の技量の差によって治療効果の差が著しい、一方、超音波法では器具の先端が振動で熱を持つので皮下組織の除去を剪除法や吸引法の程度までするとヤケドを起してしまうので皮下組織はあまり除去できないため多汗症の改善ば期待できない。
  当医院では、吸引法と言うより掻爬吸引法で行っています。手術は腋の下の毛の生えている部分の胸側と腕側に約1cmの長さの穴をあけて行います。手術は局所麻酔で行い通院治療です。保険は使えますが5万円位の白己負担金がかかります。

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